はい。タイトルの通りです。
詐欺サイトに騙されました。
もうこれは恥を忍んでお伝えするんですが、自分が騙されてしまった心理状況をしっかり説明できるのでブログに記しておきます。
購買心理の動きと併せて解説します。もしかしたらマーケターや販売業の方の参考になるやもしれません。
転んでもタダでは起きないマンになりたい。
そして、同じような被害に遭われないよう、みなさんの参考になれば幸いです。
詐欺サイトに騙された顛末
まず欲しかったものはこちら
実売価格は事件当時およそ2万円くらい。
最近アウトドアにハマった私はキャンプ道具をネットで探したり、専門店に何度も足を運んだり、ヒロシのYoutubeを観ていたりして過ごしていました。
そんな中、このタープを買うかどうか3ヶ月ほど迷っていたのです。
欲しいけどアウトドア初心者が手を出すのにはちょっと高いな、と。
そこに忍び寄る悪意!ネットの闇!
以下のような流れで騙されてしまいました。
- DODのオクラタープ欲しい。
- キャンプブロガーさんの記事を読み漁る。
- やっぱりいい!欲しい!
- スマホで品名を何気なく検索し、とあるショップにたどり着く。
- え?なに、なんかめっちゃ安い!!およそ半額だと!?
- え、え?いいの?買っちゃうよ?
- 一応妻氏に相談する健気さを見せる私。「すっと悩んでた欲しいタープめっちゃ安いから買うよ?」
- よし許可は得た!買うぞ。
- 会員登録して購入するタイプのサイトね。個人情報ポチー。登録完了。
- クレジットカード使えないのか?振込のみ?
- まぁええわ。注文しよ。
- 自動返信メール来る。(購買履歴の確認ページへのリンクなども貼ってあり、違和感はない)
- 振込先は後の注文受付メールで指示が来るんだな。
- 注文受付メール来る。振込先は個人の名義か。
- あー、買うと決めたら早く商品を手に入れたい!さっそくネットバンキングで振り込む!
- その瞬間、急に襲いかかって来る不安。
- お店のURLとEメールアドレスをググる。他にも騙された方々のブログがヒット
- あっ…やってまった…
という事でおよそ1万円騙し取られたわけです。
アホかと、バカかと。本当に情けない!何やってんだろ。何やってんだろ(怒)
購買心理の流れを踏まえて解説します
「買いたいキモチ」をデザインすることがマーケティングの肝だと私は考えています。
詐欺られた人間が何「キリッ!」って言ってんの?ってハナシですけど、まぁ今日は語らせてくださいよ(悔し涙)
はい。人が買い物する時ってだいたい決まったステップで「買いたいキモチ」が上がっていくんですよ。
私は「買いたいキモチ」を9段階に分けて抽象化しているので、何か買った時にこのステップを振り返り、自分のセールスや経営に応用できないか考えたりします。
(もし詳細を聞きたい人がいれば別の記事にするかも)
9段階あるうち、商品を買う直前の部分を抜き出しますと、こんな流れ。
「比較検討」段階に入っていると、めっちゃ情報収集してます。
ネットやら、パンフレットやら、店頭やらでとにかく情報集め。
この状態から実際に「決意実行」(買う)に至る前に、「信頼」のステップが存在します。
「信頼」がクリアされないと普通は「決意実行」、すなわち「買う」に至らないんですよ。普通はね!
で、「信頼」はどんな要素で醸成され、満たされるのか?
今の時代は3つの要素があると思います。
「売り手」=販売店や店員さんに対する信頼
「ユーザー」=ユーザーの評価による信頼
近年は「ユーザー」のパワーは強いですね。
口コミ、レビュー、インフルエンサーによる紹介。
これに購買行動を左右されるケースはとても多いと思います。
この3つが揃うと「信頼」のステップはクリアされ、「買いたいキモチ」が高まって、実際に購買行動「決意実行」を起こすに至ります。
なぜこのような購買行動を取ってしまったのか
さて、今回の私のしくじり案件ではどうだったか?
比較検討の段階で一生懸命に動画やレビューコンテンツ、口コミなど見まくって「商品やメーカーに対する信頼」「ユーザーの評価による信頼」は醸成されてぱんぱんに仕上がっている状態。
もし専門店で良い店員さんが推してくれてたら、迷いが吹っ切れ即購入していたと思います。
しかしながらDODの商品は実店舗で扱っている所がほとんどなくて、ネット通販で購入する方法が有力でした。
こうなると、「どこで買うか?」という理由付けが薄い状態なんですよね。
で、結果、圧倒的に「売り手への信頼」が醸成されていない状態で、そのネットショップ(偽サイト)を選んでしまったのです。
それはなぜか?
そもそも「作り手」「ユーザー」の信頼度は十分だった。
そこに欠けていた「売り手への信頼」を補う物があったに他ならないと私は思いました。
信頼を補う物、あるいは信頼を超える物
それは「ディスカウント」と「心理的熱狂」です。まずね、シンプルに価格安いんですよ。
実売価格だいたい2万円の中、10545円。
「ほーん。強気のディスカウントやな」と思いました。
ディスカウントされると2つの心理が同時に働きます。
- 安いから「得」をする
- 買わないと「損」をする
この心理は購買行動に大きく影響を与えます。
「買う理由」ができるからです。
もう一つは心理的熱狂。
欲しかった物を買うと決意した段階でテンション上がりませんか?まだ買ってないのに。
決めた瞬間に多分脳内麻薬出てると思うんですよ。(エビデンスなし)
これは悩んでいた期間が長い程、反動として出ると思います。
さらに「認知的不協和」という心理状態が起こります。
- 安いから買いたい
- 安いのは怪しい
2つの気持ちには自己矛盾があり、生理的にとても気持ち悪い状態です。
人間は気持ち悪い状態(矛盾)を解消するために、行動や考えを変容させてしまうようなのです。
安いのは怪しい → 安いのには理由がある
振り返るとこの心理状態ヤバイです。
安いのには理由がある(と思い込んでいる)のですから、サイトのところどころがチープな事や、ちょっとおかしい事を全て安い理由に変換していってしまうのです。
心理的な熱狂で、とにかく冷静さを欠いている状態ですよね。
具体的に違和感を持ち、冷静になるべきシーンはあったのです。
それを心理的熱狂状態が判断を狂わせた!
振り返ってみましょう。
え?なに、なんかめっちゃ安い!!およそ半額だと!?
*他の商品も思い切りディスカウントしてある。

*なんかよく分からん商品が10万円超える値段(それでも大幅ディスカウントされている)で販売されている。

クレジットカード使えないのか?前払いの振込のみ?
*サイトの記載ではクレジットカードの利用ができる記載になっているのに、注文フォームを進めて行くと、この商品に関しては振込のみになっている。

振込先は個人の名義か。
*運営会社は法人だが、指定された振込先は個人名義になっている。

「思考の癖!」
ここまでおさらいしてちょっと頭痛くなってきた。
私の人格すら疑われそうですが、おそらくどんな人にも起こりうる状況とも思います。
被害を確信してからやったこと
もう気付いた瞬間勉強代だと思って割り切ってましたけど、対応としてできる限りの事はやろうと思いました。
銀行
組戻の手続きを取る。
誤って振り込んだお金を戻してもらう手続きだが、相手方の口座名義人の許諾がないと対応してもらえない。
恐らく今回の口座の名義人は口座を売ってしまった人で相手方銀行ももう連絡が取れない人なんだろう。
組戻はかないませんでした。
警察
事の顛末を揃えて被害届を。
警察の担当者曰く、海外のサーバーに上がっているサイトだったら何も手が出せないとのこと。
マジですか?
似たような手口のサイトめっちゃありますよ。検索したら普通にヒットしますよ?
お願いサイバーポリス!混沌としたネット社会を救って!
この個人口座も破産した人とかが売ってしまったものだろう、とのこと。ある程度稼いで出し子が金を引き上げたら凍結されても構わない、というスタンス。
犯罪のエコシステム出来上がってて恐ろしいわ。真っ当なことに能力使って欲しい。
詐欺サイトに騙されないために
ネットにはびこっている大量の詐欺サイト。警察ではどうにもならないという前提になりますと、やはり自衛するしかありません。
品番とか型番で検索すると2ページ目とかでたどり着いてしまうので、本当に欲しくてリサーチしている人ほど危ないと思います。
専門品の購入を検討している人ってそういう検索の仕方しますよね。
詐欺師とカモの親和性が高いので注意してください。
サイトのURLやメールアドレスはググる!
これ、普段なら絶対やるのに、今回やらなかった。
原因は前述した心理的熱狂状態と、終始スマホを使っていたことにあると思います。スマホは手元の小さなディスプレイを通してその小さな世界に潜り込んでしまうメディアですね。PCブラウザだったら別タブで検索したりしていたかもしれない。そもそもPCブラウザだとこのサイト閲覧する時に警告が出ました。スマホだと出ないんだよー。
初めて利用するネットショップなら電話してみる!
このサイト、電話番号の記載あったけど、後でかけたら繋がらない番号でした。今、なんでもメールだけで完結するから電話する必要性ないんですよね。営業してて電話が繋がらないのならやめておいた方が良いという判断もできるので、電話入れても良いと思います。
社名は実在する会社なんだけど、検索したらアウトドアと関係ない自動車整備の会社だったのでたぶん勝手に使われてるんだと思う。住所もデタラメ。
その会社が実在するのか、きちんと営業しているのか確認しよう。
詐欺サイトの特徴を知っておく。
今回の被害にあってから検索したらこちらの記事がヒットしました。私が被害にあったサイトと同様のフォーマット、特徴を持つサイトを紹介して下さってます。
【注意喚起】ネット通販詐欺サイトに騙されて振り込みしたその後。 | 活ノート
さいごに
人間の感情って基本的に揺蕩っていて、その上でその感情が行動の根拠になる訳ですから、本当に人間って不合理な判断をするのがデフォルトだとつくづく思います。
今回は、転んでもタダでは起きないマンになりたくてこの記事を書きました。騙されそうだったみなさんが踏み止まるきっかけになってくれたら本望です。
なお、このあと悔しすぎてすぐにオクラタープをAmazonにて購入しました。星5つです。